カナダ西海岸からの贈り物
ウエスタンレッドシダーのパネリングは主に天井に貼る機会が多くとても人気の素材です。
濃淡ある表情が活き活きとしていて住宅や店舗づくりにも積極的に採用されています。
特に甘い特有の香りは多くの人々を魅了し、ウットリさせるくらいに五感に響く羽目板で有名です。
しかし、その一方で長く続いたコロナの影響が響き一気に素材の価格が高くなってしまいました。
今ではオークなどの広葉樹に迫る勢いの価格となり純粋な無垢材での提供では大きな面積を貼ることが
難しくなってきました。
そこで貼りあがりのイメージを変えずに基材を安定させながら価格を無垢材より抑えることを可能としました。
それは複合化によって実現しました。薄くスライスしたウエスタンレッドシダー材を合板に貼り付けて
パネリング化したのです。実際に住宅の勾配天井などに貼ってみると無垢材の羽目板と比較しても遜色は全くなく
美しく仕上がっていました。そしてこの素材特有のいい香りも十分に感じられることが確認できました。
また現在の無垢材のレッドシダーの羽目板は表情があまり綺麗ではないものが含まれているそうですが
この複合パネリングは木肌が美しく貼りあがりにも納得できます。
世界情勢と時代の流れ、そして価格と見栄え全体を考慮して物価高、資材高にも対応した
カナダのウエスタンレッドシダーの羽目板です。私は一年に何度かカナダを訪れますが、
飛行機でバンクーバー国際空港に降りった瞬間に広がるレッドシダーの香りに毎回感動するのです。
混沌としたこの世界情勢の中で木の香りが人を、互いを思いやる優しい気持ちに導いてくれると
信じています。